基本情報の出題見直しが情報系の学生に与える影響は?

python スキル習得

情報処理推進機構(IPA)が1月24日、基本情報技術者試験の出題を見直すことを発表しました。

情報系の学生の立場から、試験の難易度がどう変化するか推測してみます。

室井
商業高校や専門学校で試験を強制受験させられる方の参考になると思います。

COBOLの出題廃止

2019年の秋試験で、「COBOL」の出題が廃止されます。
選択者がほとんどいない言語なので、これは朗報ですね。

試験対策を受けた学生は「CASL」か「表計算」を選択するでしょうし、
「COBOL」で仕事しているような人は多分他の言語も使えます。

室井
COBOL使ってる人は、基本情報じゃなくて第二種持ってる人も多そうですね。

2020年以降は「Python」が追加されるようです。

Pythonの設問の難易度は?

ソフトウェア開発の今までの難易度は、

簡単)表計算 >= CASL(アセンブラ) > Java = C > COBOL (難しい

ぐらいの感覚で捉えている人が多いでしょう。
人によっては表計算とCASL(アセンブラ)が逆転するかな。

COBOLは難しいとか難しくないとかの問題ではなく、そもそも候補として入らないが正しい表現ですかね。

CASLそのものは試験が終わったら使いませんが、アセンブラを学んでおくのはきっといつか役に立ちます。

COBOLは今から覚えても使うか怪しいですし、教えられる人も少ないです。

では、Pythonはどのぐらいの難易度に位置するのか。
僕はIPAの関係者ではないので完全に予想ですが、

簡単)表計算 >= CASL(アセンブラ) > Python > Java = C (難しい

きっと、こんな感じになるでしょう。

Pythonは初心者が勉強しやすい言語である

PythonはCやJavaに比べて、かなりとっつきやすい言語なんですよね。

プログラミングを初めて勉強するときって、難しい部分は後回しにします。
いわゆる「おまじない」です。

例えば、Javaで”Hello world”を出力する際、

public class HelloWorld{
   public static void main(String[] args){
     System.out.println("Hello World");
   }
}

「”String[] args”とは何ですか?」という疑問が出ます。

Cで書くなら、

#include <stdio.h>
int main() {
    printf("Hello World");
    return 0;
}

  • <stdio.h>とは何か?
  • なぜ<>で囲むのか?
  • return 0ってどういう意味?

といったように、”Hello World”出力するだけでどれだけおまじない唱えるんだとなるわけですよ。

100%理解しながら勉強するのは効率が悪いですが、理解せずにコピペでコードを書いても勉強にはならないわけです。

この辺のバランスを取るのが難しいわけですが、Pythonはどうでしょう。

print("Hello world!")

1行書くだけで出力できます。
おまじないが少ないので、CやJavaより勉強は簡単ですね。

Pythonの設問の難易度そのものはCやJavaと大差ないでしょう。
ですが、勉強の難易度が簡単なので割と選択する人多いんじゃないでしょうか。

Pythonは人気上昇中の言語です。
日本語の情報も充実してきました。

表計算やCASLを授業で習っている学生の方は、授業を信じて選択すればいいでしょう。
が、どうしてもCASLが理解できない方は、Pythonを独学して選択するのもありかもしれませんね。

python3

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室井
Pythonを勉強したい方は、上の記事もどうぞ。

プログラミングが苦手な人は、今年中に取るべき

2020年春からは、午後試験の出題数や回答数、配点も変更されます。
プログラミング能力を重視していくようです。

配点引用元:IPAについて

擬似言語とプログラミング言語の2つだけで50点を占めるようになります。
極端な話、今まではこの2つを捨てても60点の合格ラインに達成可能でした。

この変更は、プログラミングに苦手意識がある人には厳しいでしょう。

また、「マネジメント」と「ストラテジ」を1問ずつ選択できなくなる点も重要です。
今までは問6と問7で12点ずつ取れたのが、統合されて15点しか取れなくなります。

テクノロジ分野しか選択しない人には、特に大きな影響はありません。
テクノロジ分野を極力避けたい人は、今年中に合格を目指すべきでしょう。

今年中に合格できなかった場合

試験問題には相性や当たり外れがあります。
ついでに言えば、起床試験もありますね。

ですから、努力しても落ちるときは落ちます。
自信がなかったのに本番で受かることもあります。

なので、今年中に合格できなかった場合の博打的な方法を伝授しましょう。

基本を捨てて応用を受けてみる

応用情報の午後問は、基本情報よりも選択肢の幅が広いです。
テクノロジ分野の問題を避けて受験できるので、基本情報よりも文系に優しいと言われています。

ただし、当たり前ですが全体的に問題の難易度は上昇します。
記述問題が出題されるので、なんとなくで解くことは難しいです。

応用情報に午前免除のシステムはないので、過去問を全て暗記してしまいましょう。

また、個人的に受験している場合はいいですが、学校の授業の一貫として受験している場合は教師に反対されるでしょう。

反対を押し切って受験して合格できれば問題ないのですが、落ちた場合が怖いですね。

基本を飛ばして応用に挑戦するのは諸刃の剣です。